適正技術の国際会議を終えて−その3

(前のブログからの続きです)かくして国際会議は、ずいぶんいい雰囲気の中で無事に終わりました。朝から夕方まで全部のプログラムに参加するのはたいへんだったと思いますが、途中退席は少なく、多くの方に最後までつきあっていただけたのはさいわいでした。
 今回の会議はAPEXの創立25年記念の行事として行ったものですが、アントンの講演を聞いているうちに、思いがけず涙が出てきたのです。これまで、ジャワやスマトラフローレスや、さまざまな現場へ入り、いろいろな人と会い、何ができるか考え、できることをやり…と過ごしてきたのですが、それが何と豊かな日々だったのだろう、素敵な仕事だったのだろう、そういう日々を、アントンをはじめ、現地のNGOの人たちとも一緒に過ごすことができた…といった感慨のようなものでした。
 会議が終わって、どこか自由な気持ちになり、自分の中で新しい何かが開けたような気がしました。ちょうど本を出したタイミングとも重なり、ひとつ峠を越えてリセットされたというか…。人生の最低限のノルマのようなものを終えて、あとはいけるところまでいくだけ、といったような感覚です。そうすると、またあらためて世界の問題を大きな視野でとらえて、新しい次元で仕事を考えたくなります。とにかくそれは、大きな行事が終わってホッとした、という以上の何かでした。
 そのような、さまざまな価値あるものをもたらしてくれた、私にとってもAPEXにとっても意味の大きい会議でした。