ジャナバドラ大学で講演

バンドン工科大学、インドネシア大学に続いて、ジョクジャカルタのジャナバドラ大学(Universitas Janabadra)という大学で話をさせてもらいました。あまり有名な大学ではないのですが、1958年設立で、法学、経済学、工学、農学の4学部に約4,000人の学生を擁する、それなりの伝統と規模をもった大学だそうです。
今回は授業の形ではなく、工学部機械工学科の創立19周年記念の、再生可能エネルギーに関するセミナーにお招きを受けたもの。講師は、ジョクジャカルタ特別州エネルギー鉱物資源局担当部長のエディ・インドラジャヤ氏と、ジャナバドラ大学で小規模水力発電の研究をされているイスマント講師と、私の3名でした。
参加者は90〜100名くらいで、おおむねジャナバドラ大学の学生や研究者ですが、他の大学や企業の方なども多少参加されたようです。私は、『適正技術と代替社会』に書いた適正技術の今日的意味の話や、開発中のバイオマスの流動接触分解ガス化を例に、これからの世界に必要とされる技術をどのように開発していくか、という話をさせてもらいました。
おそらく、話の趣旨を一番よく受け止めてくれた方の一人は、私の次に講演したエネルギー鉱物資源局の方で、私は、これから必要とされる技術が備えるべき要素として、環境に負担をかけないこと(environmentally friendly), 再生可能であること(renewable), 人々がコントロールしやすいこと(controllable), 人々が参加しやすいこと(participatory)の4つをあげたのですが、その方のお話の中で、それを何回も引用してくれました。ジョクジャカルタ特別州でも、海沿いの地域に風車を設置するなど、再生可能エネルギーの導入に向けた動きが始まっているようです。
イスマントさんの小規模水力発電の話がおもしろく、通常、水力発電は、落差のあるところで行われるのですが、落差はないものの、ある程度の流速のある、平坦地を流れる川の水流を利用して発電するものです。それに適するように、水力を受け止める羽根の形や動きがくふうされています。APEXで取り組んでいるコミュニティ排水処理システムは川沿いの土地につくることも多いので、こういうもので発電して、それで回転円板を回せないか、などと考えるのは楽しいことでした。
質問では、バイオマスガス化の経済性や、運転上の問題など、よくあるタイプの質問が出ました。学生の受け止め方からすると、インドネシア大学やバンドン工科大学の時のほうがホットでした。また、機会があれば、他の大学等にも出かけてみたいと思います。