適正技術と代替社会、インドネシア語版

 2012年の夏に出した『適正技術と代替社会―インドネシアでの実践から』(岩波新書)のインドネシア語版"Teknologi Tepat Guna dan Dunia Alternatif"が出ました。インドネシアでは最大の出版グループであるコンパス・グラメディアグループの出版社からです。今、全国に配送されている最中で、ジャカルタ近郊では既に本屋に並んでいるかもしれません。インドネシアで本屋へ行く機会があったら、手にとってみて下さい。

 下訳をしてもらってはいるのですが、より自分の気持ちに沿うように、ほとんどを書き直したので、訳文は私の責任です。訳にもずいぶん時間がかかりましたが、その後も出版社の編集者と延々とやりとりが続き、約2年間を経て、ようやく日の目を見ました。

 この本は、近代を、いかに決定的な破綻にいたらずに通り過ぎるかを考えた本なのですが、最近のインドネシアの発展を見ていると、そちらへ行っても先は見えている、どうかそういう方へは行かないでほしい、と思うことしきりです。この本が、大多数の民衆の立場に立った持続可能な代替的発展のあり方と、そこにおける技術を考えてもらうきっかけになればと思います。

 インドネシアでは、まだ読書の文化はあまり発達しているといえないので、だまっていてもあまり読んでもらえるとは思えません。この本を題材に、ほうぼうの大学などへ出かけていって、話をさせてもらおうかと思っています。